非常に状態の良いAX-1入庫しました。
美しいスタイリングのデュアルパーパスマシンですが、初代の発売は1987年と、とても古いバイクです。(販売車両は1989年発表の2型、細部がリファインされています。)
1987年といえば、スカイラインがまだこんな時代ですから、
今見ても全く時代的に違和感の無いAX-1のデザインが、いかに先進的で、今でも通用する優れたものであるかが分かると思います。
デザインに組み込まれたキャリアも美しいだけはなく、とても機能的です
1987年という時代背景もあって、AX-1は市販車初のNSシリンダーを採用した贅沢なマシンです。
NSシリンダーとは、簡単にいえばアルミのシリンダーに、下地となるニッケル層の上にシリコン・カーバイドの粒子を分散させた皮膜で覆うコーティングをしたシリンダーで、元はNS500のレーサーの為に開発されたもので、それから転じてレーサーレプリカに採用されたエンジンです。
それがレーサーレプリカに比べれば、ゆったりと走る250のデュアルパーパスに採用されたのですから、ある意味オーバースペックです。
そんなオーバースペックな部分が随所に見られ(例えばリアディスクブレーキ、専用のキャストホイル等)現在の250のバイクに比べてコストをかけてしっかり作られているのがAX-1の魅力です。
またこのNSシリンダーの採用もあって、見た目の印象に比べて驚く程軽いのもAX-1の特徴です。
現在の250のアドベンチャー系のバイクの車両重量を見てみると、
Vストローム250 → 188kg
CRF250ラリー → 155kg
ヴェルシス-X 250 → 175kg
それに比べてAX-1は、何と124kgしかありません。
乾燥重量では僅か114kg。
セル付き、カウリング付き、キャストホイールの250ccのバイクとしては驚異的です。
跨っただけで軽くて乗り易いのは分かりますし、押し歩きでも非常に取り回しが良い印象です。
さて、今回販売する車両は、長い間AX-1を探して来て、やっと見つけた非常にコンディションの良い一台です。
転倒跡やハードなオフロード走行の痕跡もなく、走行は5000km少々。
長い間屋内のどこかに眠っていた可能性が高いです。
それだけに、心配なガソリンタンクは洗浄&内部のコーティング、燃料コック、燃料ホースは新品に交換致しました。
タイヤは新車時のままだったので、まだ5000kmで山はありヒビも出ていなかったのですが、30年も経っているので、前後共に新品(純正標準装着と同じタイヤがまだ新品で買えます)に交換致しました。
とても魅力的で、コンディションの良いAX-1、しかもエンジン特性がリファインされ、メーター等が充実、グラフィックも美しいAX-1の中で最も魅力的な2型です。